2026.10.7
ジオラマの作り方を初心者向けに解説!基本手順と3Dプリンターの活用方法
ジオラマ作りは、大きく分けると「テーマや縮尺を決める→ベース(土台)を作る→パーツを配置して仕上げる」という流れで進めます。初めて作る場合は、どのような材料を揃えればよいのか、どの順番で作業すればよいのか、パーツの縮尺をどのように合わせるのかなど、迷う点も少なくありません。また、市販品にはない建物や小物を加えたい場合は、3Dプリンターを活用する方法もあります。 本記事では、ジオラマ作りの基本手順と必要な道具・材料、手作業による製作方法、3Dプリンターの活用方法を順に解説します。初心者によくある失敗や、3Dプリンターを所有していない場合の選択肢も紹介するため、初めての作品を完成させるための参考として、ぜひ活用してください。
目次
1. ジオラマの基本的な作り方を3ステップで解説
ジオラマの製作工程は、初心者向けに大きく3つのステップに整理できます。完成までの流れを確認してから作業を始めると、必要な材料やパーツを準備しやすくなります。
| ステップ | 概要 |
|---|---|
| ① テーマ・縮尺を決める | 表現する情景、完成サイズ、縮尺、構図を決める |
| ② ベース(土台)を作る | パーツを仮置きしながら、地形の基礎を作る |
| ③ パーツを配置して仕上げる | 建物や人物、小物を配置し、塗装や情景表現を加える |
① テーマ・完成サイズ・縮尺を決める
最初に、どのような情景を表現するのかを決めます。主役となる車両や建物、人物のほか、季節や時間帯などを具体化し、簡単なラフにまとめましょう。あわせて、土台の縦横寸法とスケール(縮尺)も決めます。完成サイズは製作量や置き場所に、縮尺は使用する建物や人物などの大きさに関わるためです。参考写真を用意し、主役と周囲のパーツの位置を書き込んでおくと、必要な材料を把握しやすくなります。
② ベース(土台)を作る
ラフが決まったら、木板やスチレンボードなどを使って土台を用意します。主役となる車両や建物のおおよその位置を確認してから、発泡スチロールや紙粘土などで地形を作っていきます。 土台には、地形やパーツの重量を支えられ、持ち運んでも大きく反ったり変形したりしにくい素材を選びます。使用する発泡素材によっては溶剤系の接着剤で表面が溶けることがあるため、対応する接着剤を確認してから使用しましょう。
③ パーツを配置して仕上げる
地形の大まかな形ができたら、建物や人物、車両、小物などを接着せずに仮置きし、全体の構図やスケール感を確認します。位置が決まった後に各パーツを固定し、砂や芝などの情景素材を加えて、パーツと地面の境目をなじませます。最後に、必要に応じてウェザリング(汚し塗装)を施します。実際の風景や写真を参考に、雨だれ、土ぼこり、さびなどを場所に合わせて加えると、情景に自然な使用感や経年変化を表現できます。
2. ジオラマ作りに必要な道具・材料

ジオラマ作りでは、一般的な工作用品と模型用の情景素材を組み合わせて使用します。ここでは、土台作りから塗装・仕上げまで、用途ごとに必要な道具と材料を紹介します。
| 用途 | 主な材料・道具 |
|---|---|
| 土台・地形作り | 木板、スチレンボード、発泡スチロール、紙粘土 |
| 情景表現 | 砂、情景用パウダー、フォーリッジ、水面表現用素材 |
| 切断・組み立て | カッター、デザインナイフ、カッターマット、定規、ピンセット、接着剤 |
| 塗装・仕上げ | 水性塗料、平筆、面相筆、スポンジ、パステルなど |
| 3Dプリント(併用時) | 3Dプリンター、3Dデータ、スライサー、造形材料、後処理用具 |
| 光造形の後処理・安全対策 | ニトリル手袋、保護メガネ、洗浄用品、二次硬化用UVライト、換気できる作業環境 |
2-1. ジオラマの土台に使う素材
作品全体を支える土台には、木板や厚みのあるスチレンボードなどを使用します。その上に発泡スチロールやスチレンボードを重ねると、山や斜面などの高低差を軽量に作れます。発泡素材は一部の溶剤系接着剤によって溶けることがあるため、木工用ボンドなどの溶剤を含まない接着剤か、発泡素材への使用が明記された製品を選びましょう。
2-2. 地形・地面・水面を作る情景素材
地形や自然物の表現には、紙粘土、砂、情景用パウダー、フォーリッジなどを使用します。紙粘土などで地形を整えた後、接着剤を塗って粒の細かい砂や複数色の情景用パウダーを散布すると、地面や草地の質感を表現できます。
川や池などには、一液性の水面表現材、二液性のエポキシ樹脂、透明な水面シートなどを使用できます。製品によって施工できる厚さや硬化時間、着色方法が異なるため、表現したい水深と製品の使用方法を確認して選びましょう。
2-3. 切断・組み立てに使う基本工具
材料の切断にはカッターやデザインナイフを使用し、作業台を傷つけないようカッターマットも用意します。直線を切る場合は、刃で削れにくい金属製の定規があると便利です。細かなパーツの配置には、先端の細いピンセットが役立ちます。
接着剤は、素材と用途に合わせて使い分けます。紙、木材、発泡素材には木工用ボンド、樹脂製の小物には対応する模型用接着剤や瞬間接着剤などが候補です。素材を傷めたり接着できなかったりすることもあるため、目立たない部分で確認してから使用しましょう。
2-4. 塗装・仕上げに使う道具
地面やパーツの着色には、水性塗料や模型用塗料を使用します。水性アクリル絵の具などは比較的扱いやすく、地面や岩などの広い範囲の塗装にも適しています。ただし、模型用のアクリル塗料には専用溶剤が推奨される製品もあるため、塗料ごとの使用方法を確認しましょう。広い範囲を塗る平筆と、細部を描き込む面相筆を揃えておくと、塗り分けや細かな質感表現に対応できます。
2-5. 3Dプリンターを使う場合に必要なもの
3Dプリンターを使う場合は、造形機本体、出力する3Dデータ、造形条件を設定するスライサーソフト、フィラメントやレジンなどの材料が必要です。形状を自作する場合は、3DCADや3DCGなどのモデリングソフトも使用します。
光造形方式では、メーカーが指定する洗浄液と二次硬化用のUVライトに加え、未硬化レジンに触れないためのニトリル手袋や保護メガネ、換気できる作業環境を用意します。使用するレジンと洗浄液の取扱説明書、安全データシート(SDS)を確認して作業しましょう。
3. 手作業による基本的なジオラマの作り方
手作業によるジオラマ製作では、スチレンボードや紙粘土、市販パーツ、情景素材などを組み合わせて地形や建物を表現します。ここでは、ベースとなる地形の形成から仕上げまでの流れを解説します。
3-1. スチレンボードや発泡スチロールを重ねて地形を作る
山や斜面などの高低差を作る場合は、スチレンボードや発泡スチロールを必要な形に切り、重ねて接着します。完成時の等高線をイメージしながら一層ずつ形を小さくすると、大まかな起伏を作れます。この段階では細かな凹凸まで作り込まず、建物や車両などを仮置きして、地形との位置関係や全体のバランスを確認しましょう。
3-2. 紙粘土で表面を整えて着色する
積み重ねた素材の段差に紙粘土を薄く盛り、斜面や地面の形を整えます。一度に厚く盛ると、乾燥に時間がかかったり、収縮によってひび割れたりすることがあるため、必要に応じて薄く重ねましょう。粘土が十分に乾いたら、表現する情景に合わせて地面のベースカラーを塗ります。乾燥後にひび割れが見つかった場合は、少量の粘土や補修材で埋め、再び乾燥させてから塗装します。
3-3. 市販キットや情景素材を選んで配置する
建物や車両、人物、樹木などには、市販のプラモデルキットや鉄道模型用の情景素材を活用できます。購入する際は、最初に決めた縮尺と合っているかを確認しましょう。
樹木には、幹のパーツにスポンジ状の葉材(フォーリッジ)を取り付ける製品などがあります。既製品も、色を塗り替えたり複数の素材を組み合わせたりすることで、表現する情景になじませられます。接着する前に全体を仮置きし、位置関係を確認してから固定します。
3-4. 水面表現用の素材で川や池を作る
川や池を作る場合は、着色した川底の上に一液性の水面表現材や二液性のエポキシ樹脂などを施工します。液状の素材が漏れないよう、底面や周囲の隙間を事前にふさぎ、下地を十分に乾燥させておきましょう。
一度に施工できる厚さや重ね塗りの可否、硬化時間は製品によって異なります。気泡を抑えるため、素材はゆっくり流し込み、製品の使用方法に従って硬化させます。波や水流を加える場合は、水面用素材の硬化後に、波表現用の透明素材やジェルを重ねる方法もあります。
3-5. ウェザリングで質感を高める
必要に応じて、塗料やパステルなどを使ったウェザリング(汚し表現)を加えます。建物の壁には雨だれ、車両の足回りには泥やほこり、金属部分にはさびなど、場所に合った変化を少しずつ加えるのがポイントです。汚れを均一に付けるのではなく、実物の写真を参考に、汚れる理由のある場所へ控えめに加えると、自然な使用感や経年変化を表現できます。
4. 3Dプリンターを活用したジオラマの作り方
3Dプリンターを活用すると、市販されていない形状や、ジオラマの縮尺に合わせたパーツを製作できます。ここでは、3Dデータの準備から造形、後処理、塗装までの基本的な流れを解説します。
| 工程 | 主な作業 |
|---|---|
| ① 3Dデータを用意する | 自分で作成するか、利用可能な配布データを取得する |
| ② 造形方式を選ぶ | 形状、サイズ、必要な細かさに応じて造形方式を選ぶ |
| ③ 造形条件を設定する | 縮尺、造形方向、積層ピッチ、サポートなどを設定する |
| ④ パーツを造形する | 造形方式と材料に適した条件で出力する |
| ⑤ 後処理を行う | 造形方式に応じて洗浄、乾燥、二次硬化、サポート処理、研磨などを行う |
| ⑥ 塗装・組み立てを行う | 下地処理と塗装を行い、土台へ配置する |
4-1. 3Dプリンターを使うメリット(オリジナルパーツ・細部表現・複製)
3Dプリンターの強みは、市販されていない形状や、作品の縮尺に合わせたパーツを製作できる点です。建物の窓枠、街灯、柵、機械設備など、手作業では形を揃えにくい人工物の製作にも活用できます。 一度3Dデータを用意すれば、同じ形状を繰り返し造形できるため、複数の街灯や柵などを統一した形状で揃えやすくなります。ただし、再現できる細かさや最小肉厚は、造形方式、材料、造形方向などによって異なります。
4-2. 3Dデータを作成または配布データを取得する
3Dデータを自作する場合は、作りたい形状に合った3Dモデリングソフトを使用します。人物や岩などの自由な形状には「Blender」、寸法を指定した建物や機械的な形状には「Autodesk Fusion」などが選択肢になります。Blenderは無償で利用できますが、個人用Autodesk Fusionの無償版は、非商用目的に限定された機能制限版です。利用目的に合うライセンスを確認しましょう。
自分でデータを作成しない場合は、3Dデータ共有サイトなどで公開・販売されているデータを利用する方法もあります。ダウンロードする際は、個人利用、改変、商用利用、第三者への出力依頼が認められているかなど、データごとの利用条件を確認することが重要です。
4-3. ジオラマ製作に適した造形方式の選び方
ジオラマ用パーツは、形状やサイズ、必要な仕上がりに応じて造形方式を選びます。人物、装飾、小型部品などの細かな形状には、液体状のレジンを光で硬化させる光造形方式が適しています。
一方、建物の骨格や大型の地形パーツなどには、熱で溶かしたフィラメントを積み重ねるFDM/FFF(熱溶解積層)方式が選択肢になります。光造形に比べて積層痕が目立つ場合がありますが、大きな部品を比較的軽量に造形しやすく、充填率などの設定によって材料使用量を調整できます。ただし、再現できる細かさや費用は、機種、材料、形状、出力条件によって異なるため、「細かければ必ず光造形、大きければ必ずFDM/FFF」と一律に決まるわけではありません。
4-4. スライサーで出力設定をしてパーツを出力する
用意した3Dデータをスライサーソフトに読み込み、プリンターが造形に使用するデータへ変換します。スライサーでは、パーツの縮尺、造形方向、積層ピッチ、サポートなどを設定します。FDM/FFF方式では、必要に応じて充填率なども調整します。
サポートは自動生成できる場合もありますが、外した跡が目立たない位置になっているか、細い部分を十分に支えられているかを確認し、必要に応じて追加・削除します。設定後は使用する機種の手順に従い、造形材料や造形面の状態などを確認してから出力を開始します。
4-5. 造形方式に応じた後処理を行う
造形後は、造形方式に応じた後処理を行います。FDM/FFF方式ではサポートや糸引きを取り除き、必要に応じてヤスリなどで表面を整えます。光造形方式では、未硬化レジンに直接触れないようニトリル手袋などを着用し、メーカーが指定する洗浄液で造形品を洗浄します。洗浄後は造形品を十分に乾燥させ、指定された条件で二次硬化を行います。サポートを外す時期は、材料や形状、メーカーの推奨によって異なるため、それぞれの手順を確認しましょう。
4-6. 塗装と組み立てを行い完成させる
サポート跡や積層痕が目立つ場合は、ヤスリやパテなどで表面を整えます。その後、造形材料と使用する塗料に対応した下地剤(サーフェイサーやプライマー)を塗布し、必要に応じて再度研磨してから着色します。塗装後は十分に乾燥させ、素材に対応する接着剤でパーツを組み立て、ジオラマの土台へ固定します。接合部の周囲に砂や芝などを加えて地面となじませると、後付けしたような印象を抑えられます。
4-7. 3Dプリンターがない場合は出力サービスに依頼する
3Dプリンターを所有していない場合や、造形条件の設定・後処理が難しい場合は、必要なパーツだけを3Dプリントサービスへ依頼する方法があります。機器や洗浄・二次硬化設備を購入せずに、パーツの形状やサイズに応じた造形方式を利用できます。
すでに3Dデータがある場合は、データ形式、完成寸法、使用目的、必要数量、希望する仕上がりなどを伝えて見積もりを依頼します。配布データを使用する場合は、第三者への出力依頼が利用条件上認められているかも確認しましょう。
3Dデータがない場合でも、イメージ図、手描きのスケッチ、寸法などをもとにデータ制作を依頼できるサービスがあります。ただし、形状や資料の内容によっては製作できない場合や、詳細な寸法・追加資料が必要になる場合があります。造形だけを依頼できるのか、3Dデータの制作から対応してもらえるのかを事前に確認することが重要です。
5. 手作りと3Dプリンターはどう使い分ける?

手作業と3Dプリントでは、得意な形状や必要な準備、費用が異なります。作りたいパーツの形状や数量、求める仕上がりに応じた使い分け方を確認しましょう。
| 比較項目 | 手作業 | 3Dプリント |
|---|---|---|
| 向いている形状 | 地形、岩肌、草地など不規則な形状 | 建物、柵、機械部品など寸法や形を揃えたい人工物 |
| 形状の再現性 | 一つずつ形が変わりやすい | 同じ3Dデータから同形状を繰り返し造形しやすい |
| 設計変更 | 加工しながら直感的に調整しやすい | 3Dデータを修正して形状や縮尺を変更できる |
| 準備 | 一般的な工作用品から始められる | 3Dデータと造形条件の設定が必要 |
| 費用 | 小規模なら比較的低予算で始めやすい | 自作する場合は機器・材料・後処理用品が必要 |
| 主な用途 | 土台、地形、植物、水面など | 建物、小物、反復形状、専用パーツなど |
5-1. 費用・準備のハードルで比べる
手作業は、100円ショップやホームセンターで入手できる材料も活用でき、必要なものから少しずつ揃えられます。ただし、作品の大きさや使用する情景素材によっては、材料費や工具代が増えることもあります。自分で3Dプリントする場合は、プリンター本体に加えて、フィラメントやレジンなどの造形材料、後処理用具を用意する必要があります。また、3Dデータの作成・調整や造形条件の設定を習得する時間も考慮しましょう。
5-2. 形状の再現性と複製のしやすさで比べる
窓枠、柵、街灯など、寸法や形状を揃えたい人工物は3Dプリントに向いています。一方、岩肌、土、草地などの不規則な形状や質感は、粘土や砂、情景素材を使った手作業で変化を付けやすい部分です。ただし、細すぎる形状は造形できなかったり、造形後に破損しやすかったりするため、3Dプリントを選ぶ場合も造形方式に合わせた太さや厚みが必要です。
5-3. 必要な部分だけ3Dプリントを取り入れる方法もある
すべてのパーツを3Dプリントする必要はありません。地形や水面はスチレンボード、粘土、情景素材などで作り、市販品では見つからない建物や小物だけを3Dプリントする方法もあります。
一方、既製品で希望する情景を表現できる場合は、無理に3Dプリントを取り入れる必要はありません。形状を揃えたいパーツ、市販されていないパーツ、縮尺に合わせた調整が必要なパーツなど、3Dプリントの利点が活きる部分に絞って活用すると効率的です。
6. 初心者によくある失敗と対策
初めてのジオラマ製作では、パーツの縮尺が合わない、接着剤がはみ出す、地面の表現が単調になるなどの失敗が起こりやすくなります。ここでは、よくある失敗の原因と対策を紹介します。
| よくある失敗 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| パーツの大きさが合わない | 異なる縮尺の製品を組み合わせた | 購入・製作前に縮尺と実寸換算した寸法を確認する |
| 接着剤がはみ出す・白く曇る | 接着剤の量や種類が適切でない | 素材に合う接着剤を必要な量だけ使用する |
| 地面の色や質感が単調に見える | 単一の色や素材だけで仕上げた | 色、粒の大きさ、素材の密度に変化を付ける |
| 3Dプリント品の仕上がりが悪い | 造形方向やサポート、寸法設定が適切でない | 造形の安定性と表面への影響を考えて造形方向・サポートを設定し、必要に応じて試作する |
| 未硬化レジンに触れてしまう | 保護具や作業環境を準備していない | ニトリル手袋、保護メガネ、換気できる作業環境を用意する |
6-1. パーツのスケールがバラバラでリアリティに欠ける
建物、車両、人物などの大きさが揃っていないと、個々のパーツが精巧でも、情景全体に違和感が生じます。製作を始める前に「1/150」「1/64」などの基準となる縮尺を決め、購入するパーツの縮尺を確認しましょう。3Dデータを使用する場合は、スライサーへ読み込んだ後の寸法も確認します。縮尺の表示だけで判断せず、人物の身長や建物の高さなどを実寸に換算して比較すると、大きさの不一致を防ぎやすくなります。
6-2. 接着剤のはみ出しや白化で仕上がりが悪くなる
接着剤を多く使いすぎると、パーツの周囲にはみ出し、乾燥後も跡が残ることがあります。特に瞬間接着剤は、硬化時に発生する成分によって周囲が白く曇る「白化」が起こる場合があります。小さなパーツには、接着剤をいったん容器などに出し、つまようじや細いノズルで必要な量だけ塗布します。土台などの広い面を接着する場合は、点付けに限定せず、素材と接着面積に適した接着剤を薄く塗り広げましょう。
6-3. 地面の色や素材が単調になる
芝生や土を一色・一種類の素材だけで仕上げると、地面が均一で平面的に見えることがあります。実際の地面には、枯れ草や小石、色の異なる土などが混在しています。 明るさや粒の大きさが異なる情景用パウダーを組み合わせ、場所によって色や密度を変えると、自然なばらつきを表現しやすくなります。
6-4. 【3Dプリンター編】造形方向・寸法・レジンの取り扱いに注意する
3Dプリント品では、造形方向やサポートの位置によって、表面の見え方が変わります。サポート跡を完全になくすことは難しいため、正面や上面などの目立つ部分をできるだけ避けながら、造形が安定する方向と位置を検討します。
また、FDM/FFF方式では材料の冷却、光造形方式では造形後の洗浄や二次硬化などによって、寸法が設計値から変化する場合があります。複数のパーツを組み合わせる場合は、接合部に適切な隙間を設け、必要に応じて接合部分だけを試作して嵌まり具合を確認しましょう。
光造形で使用する未硬化レジンは、皮膚に付着すると刺激やアレルギー反応を引き起こす可能性があります。作業時はニトリル手袋や保護メガネを着用し、換気できる環境で、レジンと洗浄液の取扱説明書・SDSに従って作業します。
7. ジオラマ作りのよくある質問
ジオラマ作りを始める際に生じやすい疑問について、製作期間の目安や仕上がりを高めるポイントを解説します。
7-1. ジオラマ作りにはどのくらい時間がかかる?
製作期間は、作品の大きさだけでなく、使用するパーツ、塗装の範囲、地形の複雑さによって変わります。小型で、市販パーツを中心に構成する簡単な作品なら、数時間から数日程度が一つの目安です。地形や建物を一から作る場合や、3Dデータの制作から始める場合は、数週間以上かかることもあります。紙粘土、塗料、接着剤、水面表現材などの乾燥・硬化時間も含め、余裕を持って計画しましょう。
7-2. 初心者でも簡単に水面を作る方法は?
手軽に水面を表現するなら、市販の水面シートを必要な形に切って貼る方法があります。液体を流し込む工程や硬化待ちがなく、貼り直しや交換もしやすいため、初めてでも取り組みやすい方法です。
透明感や水深を表現したい場合は、一液性の水面表現材や二液性のエポキシ樹脂などを使用します。製品によって施工できる厚さや硬化時間が異なるため、使用方法を確認し、最初は小さな範囲で試すとよいでしょう。
7-3. ジオラマをリアルに見せるコツは?
実物の風景や写真を観察し、色、形、パーツの配置に不自然な点がないか確認することが重要です。建物、車両、人物などの縮尺を揃え、主役と周囲の余白や高低差を調整すると、情景全体にまとまりが生まれます。 ウェザリングを加える場合は、壁の雨だれや車両の通行で削れた地面など、実際に汚れが生じやすい場所へ控えめに施すと自然に見えます。
7-4. 3Dプリンターがなくても本格的なジオラマは作れる?
3Dプリンターがなくても、市販キット、紙粘土、プラ板、情景素材などを組み合わせて本格的なジオラマを作れます。3Dプリンターは必須の機材ではなく、市販されていない形状や同じ形状のパーツを製作するための選択肢の一つです。必要なパーツだけを3Dプリントしたい場合は、機器を購入せず、3Dプリントサービスへ出力を依頼する方法もあります。
8. まとめ
ジオラマ作りでは、最初に表現したい情景や完成サイズ、縮尺を決め、パーツを仮置きしながらベースとなる地形を作ることが重要です。その後、建物や人物、小物を配置し、塗装や情景素材、ウェザリングを加えることで、全体にまとまりのある作品へ仕上げられます。
3Dプリンターはジオラマ製作に必須ではありませんが、市販されていない形状や、縮尺に合わせたオリジナルパーツ、同じ形状を複数揃えたい場合に有効な選択肢です。地形や水面は手作業で作り、建物や小物など必要な部分だけに3Dプリントを取り入れる方法もあります。作りたい形状や必要な数量、費用、作業環境などを踏まえ、手作業と3Dプリントを適切に使い分けることが、理想とする情景を形にするポイントです。





