展示会やプレゼン資料などでの製品アピールに最適なミニチュアモデル。今回は、3Dプリント技術と従来の板金加工を組み合わせ、高精度な1/10スケールの室外機ミニチュアを制作した事例をご紹介します。
本モデルは、2024年発売の最新空調機「ダイキン製 モジュールチラー HEXAGON GX」に、株式会社ヤブシタ製の防雪フードを取り付けた構成となっています。

制作の背景と目的

本モデルの制作を手掛けたのは、空調・太陽光関連部材の設計から施工・メンテナンスまで一貫対応されている株式会社ヤブシタ様。

以前から展示会などの用途で室外機と自社製品を組み合わせたミニチュアモデルを制作されており、これまでは板金加工を中心に製作されていました。しかし、ミニチュアサイズでは再現が難しい天面部のファン・ファンガードの細部表現において更なる品質向上を目指し、今回は光造形方式の3Dプリントを導入いただきました。

制作工程のご紹介

1. データのスライス処理

設計された3Dモデルをスライサーソフトに読み込み、出力条件やサポート材の配置を設定します。今回のように形状が複雑なパーツでは、造形の安定性や取り外しやすさを考慮した設定が重要です。

2. サポート材除去と表面仕上げ

光造形方式の出力物には上記のようなサポート材が付属されるため、ニッパーなどで除去した後にやすりがけによる仕上げ処理を行います。特に指先で引っかかるような痕は、番手を変えて複数回研磨することで滑らかで美しい表面に仕上げます。

3. 完成と組み立て

仕上げた3Dプリントパーツ(ファン・ファンガード)と板金加工によって製作された外装部材(筐体や防雪フード)を組み合わせて、ミニチュアモデルを完成させます。
異なる加工技術を融合することで、実機さながらの質感と構造を再現した展示に最適なミニチュアモデルが仕上がりました。

※ファンガードは機器近似色で塗装を施しています。

3Dプリントを活用するメリット

  • 細形状を高精度に再現できる
    板金加工では難しいファンやファンガードなどの繊細な形状も、光造形方式により正確に再現できます。
  • 金型不要で小ロット製作が可能
    数量が限られた展示モデルなどでも、初期コストを抑えて柔軟に対応できます。
  • 短納期でモデルを完成できる
    設計データさえあれば、数日で出力・仕上げまで完了し、展示スケジュールにも素早く対応できます。
  • リアルな訴求力があるモデルが製作可能
    実機と同様のディテールや構成を再現することで、展示会や商談時に高い訴求効果を発揮します。

株式会社ヤブシタ様のご紹介

空調部材を中心とした幅広い事業を展開されている株式会社ヤブシタ様。本事例の詳細は、同社が発行している「ヤブシタHOT新聞 2025年5月号」でも紹介されています。

ヤブシタHOT新聞 2025年5月号はこちらから

お問い合わせ

このように、3Dプリントは展示モデルのほかにも、試作・カスタム部品・修理用部品の製作などの様々な分野でご活用いただけます。
「こんなものも作れる?」「試しに小ロットで作ってみたい」など、アイデアの具現化をお手伝いします。ぜひお気軽にご相談ください。