桑原冷熱株式会社(本社:北海道北見市、代表取締役:桑原 賢史朗)が運営する3Dプリント受託造形サービス「KUWABARA 3D PRINT」は、製造業で設備・部品の調達・保守に関わる担当者360名を対象に、「廃番・生産終了部品に関するアンケート調査」を実施しました。
設備を構成する部品が廃番・生産終了になったとき、現場ではどのような問題が起き、どのように対処しているのでしょうか。本記事では、困った経験の有無から、生産への影響、対処法、図面がない場合の苦労、再製作という選択肢への認知、外部に依頼する際の不安まで、調査結果を詳しくご紹介します。

1. 調査結果サマリー

  • 製造業で設備・部品の調達・保守に関わる担当者の86.4%が、廃番・生産終了部品で「困った経験がある」
  • 全回答者の67.8%が、廃番が原因の生産停止・納期遅延・機会損失が「発生した」「発生しかけた」と回答
  • 対処法の最多は「代替品を探した」(47.5%)。「自社または外注で再製作した」は22.8%にとどまる
  • 全回答者の76.4%が、図面・仕様書がなく苦労した経験が「よくある」「時々ある」
  • 3Dプリンターなどで部品を再製作できることを「知っている」のは30.3%
  • 外部に再製作を依頼する際の不安は「品質・強度が不安」(38.9%)、「コストがわからない」(38.6%)が上位

2. 調査背景

製造現場では、10年、20年と長く使い続ける設備も少なくありません。一方で、設備を構成する部品は、メーカーの生産終了や保守部品の供給終了によって、ある時点から入手できなくなることがあります。
部品が手に入らなければ、代替品の選定や中古品の調達、装置の更新といった対応が必要になり、場合によっては生産の停止や納期の遅れにもつながります。また、古い設備ほど図面や仕様書が残っておらず、同じ部品をつくり直そうにも手掛かりがないというケースもあります。
近年は、3Dスキャナーで現物をデータ化し、3Dプリンターなどで部品を再製作するという選択肢も広がりつつあります。そこで桑原冷熱株式会社では、廃番・生産終了部品をめぐる現場の実態と、再製作という手段がどの程度知られているのかを明らかにするため、本調査を実施しました。

3. 調査概要

項目内容
調査名称廃番・生産終了部品に関するアンケート調査
調査主体桑原冷熱株式会社
調査期間2026年9月15日〜9月16日
調査方法インターネット調査
調査対象製造業で設備・部品の調達・保守に関わる担当者
有効回答数360名

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

※複数回答の設問は、合計が100%を超えます。

※Q2〜Q6は、Q1で「ない」と回答した方(49名)を含む全回答者(n=360)を母数として集計しています。

4. 廃番・生産終了部品が製造現場に与える影響

まず、廃番・生産終了部品で困った経験の有無と、生産や納期への影響について聞きました。

■調達・保守担当者の86.4%が、廃番・生産終了部品で「困った経験がある」

Q1.設備や部品が廃番・生産終了になり、困った経験はありますか

「設備や部品が廃番・生産終了になり困った経験はありますか」と尋ねたところ、「頻繁にある」26.7%、「時々ある」41.7%、「まれにある」18.1%となり、合計86.4%が困った経験を持っていました。「ない」は13.6%にとどまります。
「頻繁にある」と「時々ある」だけでも68.3%にのぼり、廃番・生産終了部品は、多くの現場にとって一度きりの出来事ではなく、繰り返し向き合う課題であることがうかがえます。

選択肢回答数割合
頻繁にある96名26.7%
時々ある150名41.7%
まれにある65名18.1%
ない49名13.6%

※単一回答(n=360)。四捨五入のため、合計は100.1%となります。

■全回答者の67.8%が、廃番が原因の生産停止・納期遅延・機会損失が「発生した」「発生しかけた」

Q2.廃番・生産終了が原因で、生産停止・納期遅延・機会損失が発生したことはありますか

廃番・生産終了が原因で、生産停止・納期遅延・機会損失が起きたことがあるかを尋ねたところ、「発生した」33.3%、「発生しかけた」34.4%となり、合計67.8%が「経験した」または「寸前だった」と回答しました。
全回答者のおよそ3人に2人が、部品の廃番をきっかけに生産や納期への影響に直面しています。部品1点の入手難が、設備の保守にとどまらず事業の稼働にかかわるリスクになりうることが読み取れます。

選択肢回答数割合
発生した120名33.3%
発生しかけた124名34.4%
発生していない116名32.2%

※単一回答(全回答者 n=360)。四捨五入のため、合計は99.9%となります。

5. 廃番部品への対処と「再製作」の壁

次に、廃番部品にどのように対処しているのか、また部品を「つくり直す」という選択肢にどのような壁があるのかを聞きました。

■対処法の最多は「代替品を探した」47.5%。「再製作した」は22.8%にとどまる

Q3.廃番・生産終了になった際、どのように対処しましたか

廃番・生産終了時にとった対処法を尋ねたところ、最も多かったのは「代替品を探した」(47.5%)でした。以下、「中古品を探した」(29.4%)、「装置ごと更新した」(28.6%)、「だましだまし使い続けた」(26.4%)が続きます。
代替品や中古品といった「今あるものを探す」対応が中心で、「自社または外注で再製作した」は22.8%にとどまりました。また、「装置ごと更新した」が3割近く、「生産・稼働を停止した」が15.8%あることから、部品の入手難が設備投資や稼働停止といった大きな判断につながっている様子もうかがえます。

選択肢回答数割合
代替品を探した171名47.5%
中古品を探した106名29.4%
装置ごと更新した103名28.6%
だましだまし使い続けた96名26.4%
在庫を買い溜めた82名22.8%
自社または外注で再製作した82名22.8%
生産・稼働を停止した57名15.8%
対応できず廃棄した19名5.3%
その他4名1.1%

※複数回答(全回答者 n=360)

■全回答者の76.4%が、図面・仕様書がなく苦労した経験あり

Q4.図面や仕様書がなく、部品の手配や再製作に苦労した経験はありますか

図面や仕様書がなく、部品の手配や再製作に苦労した経験があるかを尋ねたところ、「よくある」28.6%、「時々ある」47.8%で、合計76.4%が苦労した経験を持っていました。
同じ部品をつくり直そうとしても、元になる図面や仕様が手元にないことは珍しくありません。再製作が対処法として広がりにくい背景には、こうした「図面がない」という壁もあると考えられます。

選択肢回答数割合
よくある103名28.6%
時々ある172名47.8%
ない85名23.6%

※単一回答(全回答者 n=360)

■3Dプリンターなどで部品を再製作できることを「知っている」のは30.3%

Q5.3Dプリンターや金型・切削・板金加工などで廃番部品を再製作できることを知っていますか

3Dプリンターや金型・切削・板金加工などによって、廃番部品を再製作できることを知っているかを尋ねたところ、「知っている」は30.3%でした。「名前は聞いたことがある」が38.6%、「知らなかった」が31.1%です。
「名前は聞いたことがある」と「知らなかった」を合わせると69.7%となり、約7割が再製作という手段を具体的には把握していませんでした。廃番で困った経験が広くある一方で、「つくり直す」選択肢はまだ十分に知られていない状況です。

選択肢回答数割合
知っている109名30.3%
名前は聞いたことがある139名38.6%
知らなかった112名31.1%

※単一回答(全回答者 n=360)

■外部への再製作依頼では「品質・強度」38.9%、「コスト」38.6%への不安が上位

Q6.外部に部品の再製作を依頼する際に、不安に感じることは何ですか

外部に部品の再製作を依頼する際の不安を尋ねたところ、「品質・強度が不安」(38.9%)と「コストがわからない」(38.6%)がほぼ並んで上位となり、「精度が不安」(34.4%)、「材料の適合性が不安」(31.1%)が続きました。
「相談先がわからない」(25.8%)や「図面がない」(25.0%)といった依頼前の壁もそれぞれ4人に1人が挙げています。一方、「問題なく外部に依頼できている」は10.3%にとどまり、多くの担当者が何らかの不安を抱えていることがわかりました。

選択肢回答数割合
品質・強度が不安140名38.9%
コストがわからない139名38.6%
精度が不安124名34.4%
材料の適合性が不安112名31.1%
相談先がわからない93名25.8%
図面がない90名25.0%
社内の承認が得にくい84名23.3%
その他0名0.0%
問題なく外部に依頼できている37名10.3%

※複数回答(全回答者 n=360)

6. 総括

今回の調査から、廃番・生産終了部品をめぐる製造現場の実態について、次の3点が明らかになりました。
第一に、廃番・生産終了部品は一部の現場に限らない課題です。調達・保守担当者の86.4%が困った経験を持ち、全回答者の67.8%が生産停止・納期遅延・機会損失を「経験した」または「寸前だった」と回答しています。
第二に、対処は「探す」ことが中心で、「つくり直す」ことはまだ少数派です。代替品の探索が47.5%であるのに対し、再製作は22.8%にとどまり、その背景には図面・仕様書がないという壁(76.4%)もあります。
第三に、再製作という選択肢は十分に知られておらず、依頼時の不安も大きい状況です。3Dプリンターなどによる再製作を「知っている」のは30.3%で、外部依頼では「品質・強度」や「コスト」への不安が上位に挙がりました。
廃番は前触れなく訪れることもあります。部品が手に入らなくなってから慌てないためにも、平時のうちに影響の大きい部品を把握し、図面や現物の情報を残し、再製作を含めた複数の選択肢を検討しておくことが大切です。

7. 廃番・生産終了部品に備えて、確認しておきたいこと

調査結果を踏まえ、廃番・生産終了部品に備えて確認しておきたいポイントをまとめました。

確認しておきたいこと関連する調査結果確認のポイント
重要設備の部品の供給状況を把握できているか困った経験がある:86.4%メーカーの生産終了の告知や保守部品の供給期間を定期的に確認し、影響の大きい部品を洗い出しておく
部品が手に入らないときの影響範囲を整理できているか生産停止・納期遅延などが「発生した」「発生しかけた」:67.8%どのラインや納期に影響するかを整理し、応急時の手順と担当者を決めておく
図面・仕様書や現物の情報を残せているか図面・仕様書がなく苦労した経験あり:76.4%図面のない部品は、寸法・写真・使用条件を記録しておく。3Dスキャンによるデータ化も選択肢になる
代替品・中古品以外の選択肢を検討しているか対処法で「再製作した」:22.8%
再製作を「知っている」:30.3%
3Dプリンターや切削加工などで再製作できる部品かどうかを、廃番が確定する前に確認しておく
品質やコストを事前に相談できる依頼先があるか外部依頼の不安「品質・強度」:38.9%
「コストがわからない」:38.6%
使用条件に合う素材・造形方式の提案や、事前の見積りを受けられる相談先を確保しておく。

桑原冷熱株式会社/KUWABARA 3D PRINTについて

桑原冷熱株式会社は、冷凍・空調設備の設計・施工を通じて培った、多種多様な機械や部品に関する知識と経験を生かし、3Dプリント受託造形サービス「KUWABARA 3D PRINT」を展開しています。
専任スタッフが用途や使用条件をヒアリングし、最適な造形方式・素材を提案。手書きのスケッチや図面からの3Dデータ制作に加え、3Dスキャナーで現物をデータ化して出力するリバースエンジニアリングにも対応しており、廃番部品の再製作や試作品・小ロット部品の製作など、幅広いニーズにお応えします。

会社概要

項目内容
会社名桑原冷熱株式会社
所在地
(3Dプリント事業拠点)
〒090-0013
北海道北見市柏陽町592-6 KIT FRONT
代表者代表取締役 桑原 賢史朗
設立1946年6月
事業内容■ 食品低温・冷凍設備、自然冷媒設備、大型製氷・砕氷設備、空調設備などの設計施工
■ ヘアピンコイル・ヘリングボーンコイル・鉄製架台の設計製作
■ 各種空調部材製品の設計(3Dモデリング、流体解析対応)
■ 冷媒フロンガス回収・破壊
■ 各種機器の保守点検・修理メンテナンス
■ 3Dプリント事業(受託造形・3Dデータ制作・3Dスキャン・3Dプリンター販売)
3Dプリントサービスサイトhttps://www.kuwabara-3d.com/
3Dプリント簡易見積りhttps://www.kuwabara-3d.com/estimate/
3Dプリントに関するお問い合わせhttps://www.kuwabara-3d.com/contact/

※本調査結果を引用・転載する際は、「桑原冷熱株式会社調べ」と明記のうえ、本記事(https://www.kuwabara-3d.com/column/c055/)へのリンクを設置してください。